もう読んだ?紅谷先生からのおすすめ図書 – 2021年11月版

補修校の対面授業が始まった時には、図書室に行くことを楽しみにしている生徒が多いと思います。紅谷先生から図書室にある本の中からおすすめの本を紹介してもらいました。今すぐには読めないですが、図書室が再開した時には、ぜひ探してみてください。今後も定期的に本を紹介していく予定です。楽しみにしていてください。

2022年10月のおすすめ図書はこちら


オオカミの旅

ロザンヌ パリー

動物のお話し好きですか? 

オオカミ王ロボ(シートン動物記)、やライオンキング(ディズニー)のお話が好きな子にお薦めです。生まれたばかりの小さな狼の子が、家族と別れ別れになりながら、仲間と自分の生きる場所を探して旅するお話しです。困難にであっても、諦めずに生きていこうとする姿に、勇気を貰えます。 


橋の下の怪物

ジョン ベレアーズ 

ちょっと気の弱い少年のルイス、しっかり者のローズ リタ、アメリカの田舎町でのんびり夏休みを迎えるはずでしたが、、、老朽化して取り壊されることになった橋の下に怪物が出るらしいのです。怪物ってなんでしょう。イギリスのハリーポッターとは一味違うアメリカ版魔法使い、魔女が登場して、ハハラドキドキの始まりです。 


ケルトの白馬

ローズマリー サトクリフ 

サトクリフは、体や、心に、少しハンディのある少年や少女が、主人公のお話を描く作家です。このお話の中の少年も古代イギリスの集落で馬を飼って生活していました。絵を描くことが好きだった少年が、戦いに巻き込まれながら、自分らしさを見失わないように生きていく姿に心打たれます。イギリスには数カ所にチョークホースと呼ばれる地面に描かれた大きな白い馬の絵があります。古代の人たちがどんな思いで大きな馬を描いたのか、想像しながら読むのも楽しいです。 


えんの松原

伊藤遊

舞台は900年代半ばの日本。遣唐使、空海、密教、安倍の清明 などが活躍していた頃、日本人がまだ怨霊の存在を信じていた頃のお話です。自分達の力では抗い難い力、自然災害、疫病の蔓延などで、無念の思いを抱いて死んでいった人々を怨霊という形で、現したのかも知れません。そういう怨霊に対して、嫌うだけでなく思いやる気持ちも感じられるのが、このお話です。 


夏に泳ぐ緑のクジラ

村上しいこ

『れいぞうこの夏休み』の作家村上しいこの少年少女向け作品です。 

親の離婚、暴力、死、などが扱われているのにツチノコという不思議な生き物を登場させることによって読みやすくなっています。 


イーブン

村上しいこ

引きこもりの少女の家に泥棒が入るところから話が始まります。 

どきどきの展開、です。読み進むうちに、主人公や、その友達のトムと長い間の知り合いのような気持ちになります。二人がカレーを作る場面では自分も作りたくなってしまいます。 


こんとんじいちゃんの裏庭

村上しいこ

じいちゃんが車に撥ねられた。意識が戻らない。被害にあったはずなのに、保険会社から支払い請求が来た。両親は、納得してるみたいだけど腑に落ちない。主人公もコンビニの店員と、トラブル起こしてしまう様な少年なのに、じいちゃんをこの事件をきっかけにだんだん変わっていく。痴呆の老人、介護、この作品も重いテーマ扱っているのに、読んだ後にほのぼのとした気持ちになります。 


セイギのみかた

佐藤まどか 

友達が揶揄われていたり、いじめられている時、やだなあと思ってもなかなか やめろよというのには。勇気がいります。そんな時、正義の味方が登場して、やめろよ、と言ってくれたらどうなるでしょう。小学生たちが主人公なのに、あ、わかるその気持ちと思えるのは、なぜでしょう。 


ぼくたちがギュンターを殺そうとした日

ヘルマン シュルツ 

ちょっと重い、戦時中ドイツのお話。みんなとちょっと違っていたり、言葉や文化が異なると人はどうして仲間はずれにしたり、虐めてしまうのか。悪いことだとわかっているのに、止められなくなっていってしまう様子が淡々と描かれていきます。読んだ後に感想を話し合いたい作品です。 


手塚治虫からのメッセージ 5冊 

鉄腕アトムの漫画知っていますか。今から50年以上も前、まだテレビが大きな四角い箱だった頃、週に一度のアトムの放映は、テレビの前に子供たちを釘付けにしたものです。ロボットアトムが悪い人たちをやっつけてくれるのもさる事ながら、悪い人たちもどこか憎めないキャラクターだったり。そこには手塚治虫の人間に対する優しい思いがあったからだと思います。 

悪い人、悪い生き物、それって誰の目から見て、誰の立場から、という問いかけが、いつも根底にあったからではないかと思うのです。漫画もアニメと、名前を変えて新しくなってきました。 

宮崎駿をはじめとして、素晴らしい作品が次々と生み出されています。原点の一つともいうべき、手塚治虫の作品を何冊か購入してみました。親子で読んでもいいですね。 


戦国姫

藤咲あゆな 

戦国時代に活躍したのは男の人ばかりだったのでしょうか。その時代の女の人はどういう生き方をしたのでしょう。歴史の中の女性について知りたい方にお薦めです。可愛い挿絵と読みやすい構成です。もっと知りたくなって歴史にハマるかもしれませんよ。歴史の影に女ありとも言われていますから。